クニヲ・ナカムラ氏

11月24日はパラオの前大統領であるクニオ・ナカムラ氏の誕生日(1943年生)です。今年1月、任期満了に伴ひ選挙が行なはれ、ナカムラ政権下の副大統領だつたトミー・レメンゲサウ氏が大統領に就任しました。

クニオ・ナカムラ氏は日系2世(父が日本人。母は現地の人)で、日系の大統領は、ペルーのアルベルト・フジモリ前大統領に次いで世界で2人目でした。

パラオを始めとする南洋諸島の国々は、第1次大戦まではドイツの植民地で、連合国側の日本海軍がドイツ艦隊を撃退しながらこの地を占領、大戦後は国際連盟により日本の委任統治領となりました。多数の日本人が南洋諸島に入植し、今もこの一帯には日系人が多く住んでゐます。パラオの人口22万人のうち23%が日系人で、パラオ語の単語の60%は日本語そのままださうです。ナカムラ氏の父が三重県伊勢市出身と云ふことで、1996年、三重県パラオ共和国は友好提携を結びました。



「クニオ・ナカムラ」の英語表記は"Kuniwo Nakamura"となつてゐます。即ち「クニヲ」です。歴史的かなづかひでは、「男」「夫」「雄」は「を」と書きます(それぞれの読みも「をとこ(をのこ)」「をつと」「をす」です)。これをそのままローマ字にして"Kuniwo"と綴つたものと思はれます。かういふ所に歴史的かなづかひが保存されてゐることに感動を覚へました(<大袈裟)。