茂木18:52→(真岡鐵道114)→19:58下館

茂木驛に到着した時には、すつかり暗くなつてゐました。驛員さんは全員歸つたやうです。自動劵賣機があるのであらう場所には覆がされてをり、改札口に「運賃は車内で払って下さい」と書かれてゐます。待合室には部活歸りの女子高生が數人。ホームに入つてゐたのはレールバスでした。車内は4人用のボックス席が6組と十數人分のロングシートに改裝されてゐますが、窗や、その上に附けられてゐるエアコンの吹出口にバスの名殘があります。

茂木から3驛目の市塙で擦違つた對向列車は新造らしい列車でした。あちらはレールバスではなく、最初から鐵道用の列車として造られた物のやうです。

まう車窗は眞暗で、家の燈りや竝行する道路のライトしか見えません。それでも邊りを見ようとしてゐたのですが、いつの間にか舟を漕ぎ出してゐました。「意志で抑へ附けられないくらゐに眠く」なつて來たのです。線名にもなつた「真岡」で停車した時の記憶がないので、寢てゐたのでせう。態々、たつた1線區の爲に高い御金を掛けて來て、そこで寢てしまふとは、一體私は何をしてゐるのでせう。