• 1915年 病理学者・山極勝三郎が皮膚癌の人工発生に成功と発表

これにより山極勝三郎博士はノーベル生理学・医学賞の候補者となりました。が、実際には1913年にネズミの胃癌の中にゐた寄生虫を用いて胃癌を人工発生させたと発表したデンマークのフィビガーが、単独で1926年のノーベル生理学・医学賞を受賞してゐます。しかし、フィビガーの死後(1928年)、氏の研究に疑問が持たれ、これが誤りであつたことがわかりました。すなはち、山極博士の研究の方が世界初であつたことになります。

なほ、これ以降、ノーベル賞は確実に正しいと証明された研究成果にのみおくられることになりました。アインシュタインの物理学賞受賞も、当時はまだ仮説でしかなかつた相対性理論に対してではなく、光電効果の発見に対しておくられたものです。