電車が到着になります


まもなく、稲城長沼行きの最終電車が到着になります。

JR武蔵小杉駅での駅係員さんのアナウンスなのですが、何か和感を感じます。

「到着」は「なる」ものではなく「する」ものです。よつてこの文章は、「電車が到着します」としなければいけない。どうしても「になります」を使ひたければ、「電車が到着した状態になります」とすれば文法的にはをかしくなくなります。が、普通こんな言ひ方はしないでせう。

問題はかう云ふ所ぢやない。何故この駅係員さんは「します」で良い所を「になります」としたのか。おそらく、「到着します」では叮嚀ではないと感じたのでせう。しかし、「先生がご到着になります」ならをかしくないですが、相手は電車です。電車に尊敬語は使ひません。文章を叮嚀にしたいのでしたら、かう云ふ言ひ方で良いのです。「まもなく、稲城長沼行きの最終電車が到着致します。」これがこの場合の最適解でせう。