「知らせやう」

メルマガの文章でかなづかひの誤りを犯してしまひました。終わつて知らせやうとぢやなくて「終(は)つて」「知(ら)せようと」です。

私が昨年「現代かなづかい」で書いた文章を歴史的かなづかひに直したものなのですが、前者は変換忘れ、後者は変換誤りでした。「よう」と書かれてゐるのを見て、前後をあまり見ずに「やう」にしてしまつたやうです。



「知らせよう」は「知らせる」(下一段活用)の未然形「知らせ」に意志の助動詞「よう」が付いたものであるので、歴史的かなづかひでも「知らせよう」と書きます。が、特に初学者(私もそれに毛が生えた程度の者ですが)は「知らせやう」と誤りがちです。

意志を示すときに「やう」の形になるのは、「やる」「切る」などラ行四段(現代かなづかいでは五段)活用の動詞の未然形(「やら」「切ら」)に意志の助動詞「う」が付く場合だけです。

もつと簡単な、「よう」と「やう」の辨別法を書きます。後に「ない」を付けてみるのです。その侭で「ない」を取つて、「う」「よう」の内でしつくり来る方を付けたものが正解です。

「する」ならば「しない」→「しよう」ですし、「やる」ならば「やらない」→「やらう」です。

これに気が付いて、「凄い事を発見した」と思つたのですが、これくらゐの事なら既に誰かが書いてゐてもをかしくないですね。