鐵道と國名

現在、私の乘車記録の整理に使用してゐるデータベースに、その線區が所在する「國名」(いはゆる「舊國名」)の欄を追加してゐます。恐らく、全ての鐵道についての國名との對照表と云ふのは史上初ではないかと思ひます。JR(国鉄)線についてはあるかも知れませんけど。

鐵道と國名とは切つても切れない關係にあります。國名を元にした路線名は特に東北や西日本に多くありますし(奥羽本線因美線等)、國名を冠した驛名も數多くあります(殆どは既にある他の驛と區別する爲)。その線區が屬する國を知つておくことは、今後の乘潰し活動にとつて有用であると考へます。



先週土曜日に完乘した関東鉄道常総線(取手〜下館)の「常総」は、常陸下總から取られてゐます。しかし、常総線は全て茨城縣内。私は茨城縣=常陸國だと思ひ込んでゐたので、何故「常総」なのだらうか、利根川を越えて千葉縣まで線路を伸す積りだつたのだらうか等と思つてゐたのですが。確かに茨城縣の縣域の殆どは常陸國なのですが、南西部は下總國内なのです。常総線は下總國取手と常陸國下館を結んでゐると云ふことで、看板に僞りなしであります。



大分前に、「根岸線根岸驛は、開業時に既に只見線根岸驛があつたのだから、『相模根岸』とでもしないと行けなかつたのでは」と云ふやうなことを書いてゐましたが、「武藏根岸」の誤りでした。武相國境があんなに南まで入込んでゐるとは。それ以前に、同名の驛と云ふのもそんなに珍しくないやうです。