月遲れ


今日、テレビで放送していた天神祭のライブ中継で、旧暦6月25日が菅原道真公の誕生日だという話をしていました。だから天神祭は7月25日だというんですね。

けど、今日は旧暦で換算で6月12日ですよね? 菅原道真は承和12年6月25日(西暦845年8月1日)生まれって事らしいんですが、どこをどうやったら今日が誕生日って事になるんでしょう。旧暦6月25日は太陽暦の8月7日ですし、誕生日を西暦で考えても8月1日になるはずです。一週間以上早いよ。

多分ここは見られてゐないと思ひますが、つつこみ。天神祭が7月25日なのは「月遲れ」ですね。本來は舊暦7月15日の盆を新暦8月15日に行ふのと同じことです。
日本では明治初年にそれまでの太陽太陰暦(舊暦)から太陽暦(新暦)に改暦したのですが、その際、日附を定めて實施してゐた行事について、舊暦の日附をそのまま新暦に持つて來ると、季節感が合はないと云ふ問題が起こりました。かと言つて、舊暦に換算して實施してゐたのでは、新暦上での日附が毎年異つてしまひます*1。そこで、新暦と舊暦の差がほぼ1箇月であることを利用して、舊暦での日附に1月足した新暦上の日附で行事を行ふことにしたのです。これなら季節感のずれも小さいですし、新暦での日附も固定されます。

*1:それだけの理由でもないのですけど。その邊の事情はhttp://www.nnh.to/02/11.htmlの「紀元節」の説明に書いてゐ、あ、ない。Wikipediaには書いたかも。