覺書


侃侃諤諤
正しいと信じる事を遠慮なしに直言すること。「―の議論」
喧喧囂囂
―たる/―と〔おおぜいの人が勝手な意見を言って〕やかましく騒ぎ立てる様子。

「侃」は「剛直なこと」の意(「やはらぎ樂しむ」の意もある)、「諤」は「直言すること」の意。「喧」「囂」は共に「やかましい」の意(全く逆の「靜かな樣」の意もある)。

「喧々諤々」と云ふ誤り(その儘とれば「やかましく直言すること」の意になりさうですが、實際には單に「やかましい」の意で用ゐられてゐる模樣。それに、字が判らなかつたのか「ケンケンガクガク」とカタカナで書かれることも多い)はよく見ますが、「侃々囂々」と云ふのは餘り見ません。

かう云ふのを、「コンタミネーション」と云ふさうです。


コンタミネーション
〔contamination〕 自然の連想・類推により一つの語句のある部分と他の語句のある部分とが合成して、別の一語を作ること。混淆。混合。コンタミ。 例、御飯を「ヨソル」は「ヨソウ」+「モル」の混淆と言われる。〔映画に出て来る「ゴジラ」は「ゴリラ」+「クジラ」の合成。「苦渋をなめる」は「苦渋を味わう」+「苦汁をなめる」の、「骨身をやつす」は「骨身を削る」+「憂き身をやつす」の混淆に基づく誤り〕