阿房列車

現在、内田百閒先生の『第一阿房列車』を讀んでゐるのですが。最近出た新潮文庫のです。ああ、「今日の買物」に書いてをりませんでした。買つたのに書いてゐない本が澤山ありまして、宮脇俊三さんの本は見附け次第買つてをります。こなひだ、列車の中吊廣告で新潮文庫から『第一阿房列車』が出ることを知つて、あちこち捜してやうやく見附けたのです。

が、やつぱりと云ふか何と云ふか、新字新かなになつてゐました。正字正かな、せめて正かなで讀みたいものです。正かなだつたからこその書き方(「たッたッたッ」とか)をしてゐる箇所もある譯で、それを表記だけ變へてゐるものだから、變になつてしまふ。讀んでゐて、内容は面白いことは面白いのですけど、別の頭で、ここは本來はかう書かれてゐたのだらうなあ、とか考へてしまひます。

古書店で捜すしかないのでせうかねえ。