小説版

『小説のだめカンタービレ』。ドラマののだめのノベライズ版と云ふことで、セブン&ワイでけふ入手したのですが(發刊は22日の筈なのですが。ドラマ最終囘の翌日と云ふのは態とですか?)。
漫畫やドラマとは違ふ小説の文法によるのだめ、それなりに面白くはあるのですが……。前半は少し書き過ぎ。脚本を小説の文法に直して、少し加筆しただけ、と云ふ感が強い。小説なんだから、もう少し讀者の想像に任せる所があつても良いのではないか。まあ、元(原作)が面白いのでこれでも面白くはあるのですが。
そして、ドラマでは中間點となる6話相當の部分を終了した時點で、捲つたページが既に總ページの3分の2に達してる。おいおい、話は後半分あるんだぞ、と思つたら、後半は飛ばし過ぎでした。それに、ドラマと云ふより明らかに原作を元にしてゐて、しかもいくつかのシーンをシーンごとバッサリ切つてゐる(帶に「(ドラマの)完全小説化」と書かれてるけど、JAROに電話するぞ)。發刊時期から考へて、後半部が書かれたのは撮影中、もしかしたら脚本すらまだない時期である可能性が大で、さうなると、最初に決めてあるであらうドラマのプロットに、原作を元に肉附けして書いて行くしかない。にしてもこれは飛ばし過ぎだらう。前半を書くのに時間が掛かつて、締切に間に合はなくなつたのか、それとも力盡きたのか。うーん、前半はこのままでも良いから、後半部を「ドラマを元にして」書き直した「改訂版」を出してほしい。
さうさう、原作にもドラマにもない「のだめ視點」の描寫は新鮮でした。