つがふ

かふしさんの日記 平成19年5月29分へのつつこみ。
「合」の支那語での元々の發音は"gap"ですが、日本語には"p"と云ふ音はないので、母音を補つて「ガプ」としたり、何も發音せずに一拍空けて「ガッ」としたりしてゐました。前者が「がふ」、後者が「がつ」です。puの音は後にfuになり(他のハ行の音はさらにhになつた)、さらにガフ→ガウ→ゴーと變化をしました。同じ漢字に對して2文字目が「ふ」「つ」と2通りあるもの(十とか雜とか)は、このやうな變遷を辿つてゐます。と云ふのは確か高島俊男さんからの受賣り。
もつとも、假名遣と云ふものが整備されたのは江戸時代の終り頃以降、それが一般の人々に普及したのは明治以降ですから、鬼平犯科帳の時代(江戸時代中期)に「都合」を「つごう」と書くやうな假名遣の亂れ(と、敢て書く)はあつてもをかしくないと思ひます。